私がアレクサンダー・
テクニークを学んだ理由
私は、2歳からピアノ、6歳からヴァイオリンを始めました。
子どもの頃から音楽が大好きで、音楽を学び、演奏することは私にとって自然な楽しみでした。
ドイツのAkademie für Tonkunst Darmstadtを2006年に卒業し、帰国後、ヴァイオリニストとして演奏活動を始めました。
ところが、演奏活動を始めてから、私は「緊張」という大きな壁にぶつかりました。
どれだけ練習しても、本番になると怖くなる。
身体が震え、手が思うように動かない。
頭が真っ白になり、練習では弾けていたところが弾けなくなる。
「また弾けなくなったらどうしよう」
そう思うほど、身体は固まり、さらに弾けなくなっていきました。
自分を信じられなくなり、ヴァイオリンを辞めてしまおうかと何度も悩みました。
それでも、ヴァイオリンを弾かない自分には価値がないのではないか、とも思っていました。
今振り返ると、私は「演奏できる自分」と「自分自身の価値」を重ねてしまっていたのだと思います。
身体がわからなくなった、出産という転機
さらに出産を経験すると、身体がばらばらになったように感じ、それまでできていたことが思うようにできなくなりました。
もう一度弾けるようになりたくて、整体に通ったり、身体の使い方を学んだり、ヴァイオリンを基礎から見直したり。
いろいろ試しましたが、なかなかうまくいきませんでした。
藁にもすがる思いで
そんなとき、インターネットでアレクサンダー・テクニークの記事に出会いました。
そこに書かれていたことを、藁にもすがる思いで試してみたところ——
緊張せずに、とても楽しく、幸せな気持ちで演奏することができたのです。
「何が起きたんだろう?」
そこから約2年間、アレクサンダー・テクニークについてのメルマガなどを読みながら、興味を持ち続けました。
けれど、実際に学び始めるところまではなかなか踏み出せず、足踏みしていました。
そして2019年、Body Chanceで本格的に学び始めました。
「緊張していても動ける自分」へ
そこで私は、たくさんの驚くような体験をしました。
そして少しずつ、
「緊張してはいけない」のではなく、「緊張していても動ける自分でいる」
ということを学んでいきました。
自分の使い方が変わると、できることの選択肢が増えていく。
「これしかできない」から、「こちらも試してみよう」へ。
それは演奏だけでなく、自分自身との関係にもつながっていきました。
今はさらに、身体の傷つきやトラウマ、身体と心のつながりについても学びを深めています。
私自身が、身体が思うように動かないこと、緊張して演奏できないこと、そして「自分を変えなければ」と苦しんできたからこそ、
「自分には、まだ別の動き方がある」
ということを、一緒に探していきたいと思っています。
枝並 史佳
ヴァイオリニスト・アレクサンダー・テクニーク教師